犬は優秀なのだ

犬は優秀なのだ

 

犬の学習は堅い。

私の師匠中西典子さんは言われている。

 

確かに、考えてみると自分の犬に

「おて」や「ハウス」をどうやって

教えたかなんてあまり覚えない。

トイレトレーニングは毎日同じように

繰り返しながらいつの間にか

できるようになっていた。

よく考えるとすごいことだな。

 

それと同じように、人間にとって

不都合なことも、ちょっとした事で

覚えてしまう。

 

テーブルの上の食べ物を食べれた経験をすれば

次からテーブルの食べ物は食べれる

と学習する。

バッグの中に美味しいものが入ってると

経験すれば、毎回バッグの中を

覗こうとする。

人の食事中に犬が吠えてうるさいから

自分のごはんシェアしちゃった!

ってことになれば、次からは

「くれ!」と吠えるだろう(笑)

うっかりとか

ついついとか

犬には通用しない。

 

くれ

 

うちの犬は散歩にでると

玄関をでてすぐのところで

止まるようになった。

散歩いくよ!って声には

大喜びで家をでるのだけど。

家の前の道で左右を確認して

尻尾をさげて動かない時がある。

 

2年前に近くにマンションが建ち始め

その基礎工事の物音やトラックの往来で

かなりの騒音があった。

それだけでなく、

ガテン系の男の方が大勢

腰に工具をつけてガチャガチャいわせて

近所を歩き回る。

うちの犬は怖がりなので

それだけでも尻尾を丸めていた。

 

そこにかなり大柄の警備員がいた。

ただでさえいろんな音で怖がっていた犬に

その警備員が話かけてきた。

「おい!おい!」

犬が好きな人だったかもしれない。

でも「おい!」って?

私は「すみません、吠えるので」と言って

走って去ろうとしたが

犬は怖がって吠えたあと

警備員を何度か振り返ってみながら

通り過ぎた。

すると一言

「なに、睨みつけとうとや!」

※(「なに、睨みつけてんだよ!」の意)

と怒鳴られた。

6キロの小さな犬が怖がって見ているのを

180㎝をこえる男がそう言ったのだ。

 

それから私は散歩コースを変えた。

といっても工事現場は数件先なので

とにかく家から怖がっている犬を抱いて

ダッシュで見えないところまで連れていく。

そうするといつもの様に散歩してくれていた。

 

そうやって散歩してた時、近くの交差点で

まさかの休憩中の警備員に会ってしまう。

私はとっさに逃げたが

後ろからまた「おい!おい!」と叫ばれた。

 

それ以来、マンションに行く方向と

その交差点への道はとても怖がるように

なってしまった。

 

工事も終わりしばらく怖がっていた犬も

徐々に元のお散歩に戻ってきていた。

 

 

そのことをすっかり忘れてた私だが、

最近になって犬の様子を見ていて

氣付くことがある。

 

時々怖がるのだ、

あのマンションの方向や交差点。

いつもではないけど

突然足が止まる。

 

それだけの原因ではないかもしれない。

でも少なからず、怖い思いをさせてしまった

ことは今も影響があるようだ。

 

人にとっては小さなこと

忘れてしまうような過去のことでも

犬にとっての学習は本当に堅いのだと

この時、氣付いた。

 

 

そう考えると、一度でも叩いたり

怒鳴ったりした犬のトラウマって

どれだけ大きいものになるのだろう?

そして犬はそれを覚えている。

 

しつけと称して

マズルをつかんだり、仰向けにしたり

喉に指をいれるなどしていると

噛むようになる犬もいる。

そうなった時に、学習した犬を

噛まないようにするのはとても難しい。

 

 

 

散歩中なぜか止まってしまうとか

怖がっているとか

急に噛むようになったとか

私たちがただ氣付けないだけで

きっと何か理由があるのだろう。

 

 

私は犬が怖がる時は

怖くないところまで抱っこして

今も散歩している。

隣のおばちゃんから

「あら今日は歩かないの?」と

笑われながら…

 

そんな優秀な動物である犬と

私たちは暮らしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Follow me!

前の記事

スイッチON♪

次の記事

足裏の砂の意味